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おちや乳人での地唄舞の仕草

昨年(2017年)11月に国立劇場の花崎会で舞わせて頂きました演目「おちや乳人(めのと)」は、地唄舞にしては珍しく所作が振りになっていて、その表し方に大変苦労を致しました。
役柄は、誠に高貴な位の高いお殿様の姫を乳母として育てている女性が重責を負いながら子供(姫)をあやし寝かしつけ、それでも当時の乳母ですからまだ20代後半ぐらいの若い女性なのです。寝かしつけた姫を連れ出し下向(ローマの休日の乳母・姫バージョン)召されることを考え、寝ている姫に話し掛けたりしているのですが、自分が夢中になって踊り子の格好をしたり、吉野の山に行ったりお参り旅行に行ってみたり、でも最後は乳母の顔に戻りこの姫を守っていく、という意思を表現します。
地唄舞は顔で内面を表すことはタブーで、かと言って体で表すにも位の高い役柄なのでなよなよしてはならず、まっすぐ前を向いて凛としてそれでいて情感を表すことは、下賤の代表のような私には至難の業。それでも20年近く舞いたい気持ちを封印してきた演目なので、得るものは大きかったです。
さて、その仕草について「あれは何をやっているところでしたか?」というご質問を何人かから頂き、自分の表現の未熟さにがっかり致しましたので、このページを借りまして曲の流れにそってご案内申し上げます。
尚、お流派によって振りは異なります。下記は私共花崎流のものです。
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