​菜の葉

可愛(かわ)いといふ事は、誰(た)が始めけん、他の座敷は上(うわ)の空、
許様(もとさま)参ると、認(しめ)す心のあどなさよ。
上(うえ)々様の痴話文(ちわぶみ)も、別にちがはぬ様(さま)参る、
思ひ回せばもったいなうて、言葉下げたら思ふ事、
菜の葉にとまれ蝶の朝(あさ)。