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地唄舞について

日本の舞踊は、大きく分けて舞と踊りの二つがあります。
例えば歌舞伎舞踊のように踊りが自らの高揚に重きが置かれているのに対し、舞はもともとの原点が神や為政者への‘祈り'にあります。
舞の代表的なものに能や地唄舞があります。
地唄舞は能と近い関係にありますが、大きな違いは能が長い間男性のみの芸能であったのに対し、地唄舞は、もとは宮中から生まれ、女性が育んできた数少ない芸能であることです。子女のたしなみから芸能へと発展した側面もあり、室内の狭い空間で、合理的かつほこりをたてない優雅な所作を行うために必要な体幹と息使い(間)を大切にしています。お座敷で静かに舞われる大変品の良い舞で、上方(京都、大阪)から発祥したため上方舞とも呼ばれます。現在も上方で盛んですが、私共花崎流は江戸前の地唄舞で上方に比べると粋できりっとしているのが特徴です。
 
背景は襖、障子、屏風などそこにあるそのままを用い、燭台(灯)は、舞手と見者の世界とを分ける結界を表します。
こうした華美を廃した簡素な背景で舞われる地唄舞は見者の想像力を掻き立てていきます。地唄舞は、物語を忠実に再現するというよりも、舞手がその作品への自分の想いを伝えようと舞い、舞をご覧になる方は舞手の凝縮した想いを自分の心のなかでまた新たに想いとして創り上げる、非常に知的で創造的な芸能です。
お座敷で舞われるので、初春の寿、観月の夕べ、ご結婚・ご新築などお祝いの席、追悼の式、など披露する機会もございます。
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